突然ですが『共感覚』という言葉をご存知ですか?
ざっくり説明すると、『音』や『文字』『形』などに特定の色が付いて見える感覚の事を言います。
つまり、黒い文字で書かれている文字であっても、共感覚の持ち主が見れば文字ごと、あるいは単語ごとに色づいて見えるということになります。
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文字に色が付いて見える共感覚。あなたはいかがですか?
共感覚同士であっても共通するのは『いろんな色に見えるよね』ということだけで、それぞれに感じる色や状態が変わるのでお互いにそれほどの仲間意識は芽生えません。
子供のころからそういう能力があることに気づく人も居れば、大人になってから自分は周囲とは違っていることに気づく人もいます。
もっと言えば大人になってから文字や数字に色を感じ始める人も居ます。
私の場合はふんわりしたカラーイメージはあったものの、はっきり『この色!』という感じではありませんでした。
が、ここ数年でじわりじわりと色が付き始め、今では割と明確に色が見えるようになりました。
とはいえ、私の場合は単語ごとだったり、短い文章であればそこから単一の色を感じるくらいの薄味なのですが。
文字だけではない?! 音も色を帯びる 目で見る音の世界
以前、小さなライブハウスでとあるバンドの演奏を聞いていたときの事。
私自身はまったく気づいていなかったのですが、隣で一緒に聞いていた連れからこんなことを言われました。
『何をみてるのか知らないけど、ちゃんと聞きなよ。あと、全部まとめて聞いてあげなよ。1パートだけ抽出するようなことしないでさ』
そのときは彼女が一体何を言っているのか、まったく理解できませんでした。
『ちゃんと聞いてるよー? 全部聞いてるよ? 何でそんなこと言うの?』
たずね返してみると、彼女はこういいました。
『あなた、あのギターの演奏とヴォーカル、嫌いでしょ。そうだなあ、好きなのは、ベースの演奏?』
ふわあー、と声が出ましたよ。まさにその通りだったからです。
曲は賑やか過ぎず、静か過ぎず、穏やかで温かい感じのメロディラインなのに、ギターの演奏はキラキラシャラシャラと眩しすぎる気がして。
ヴォーカルの声も、ところどころでいきなり破裂するような……例えるなら、水風船をお手玉にして遊んでいたのに、突如そのひとつを引っつかんで壁に叩きつけるような歌い方をしているように感じて。
明るいオレンジ色の、夕焼けよりももう少し黄色味掛かった凪いだ海辺で心地良い風に吹かれているような曲なのに、そこに金銀のグリッターを撒き散らして光り輝くギターの音色と、脈絡なくいきなりキレるヴォーカルが不釣合いに思えて、無意識に耳から排除しようとしていたんですね。
曲を聴いてカラーや景色を思い浮かべるのはみんなやってることだと思っていたし、好みの音だけを聞いたり、逆に嫌いな音だけを排斥するようなことも、普通にやってることだと思っていました。
文字の色についても似たようなもので、本を読めば色や景色が脳裏に浮かぶのが普通だと、みんなそうだと思ってたんですね。
本については、小説とかであれば登場人物の会話シーンで、脳内にキャラクターの声が聞こえてくるという人は結構多いみたいです。
私は音はほとんど聞こえません。が、色と景色(シチュエーション)と人物が浮かびます。
なので挿絵イラストとかは無いほうがありがたい。
自分がキャラクターの名前や言動から感じ取った姿とイラストが乖離していると、慣れるまでに随分違和感を感じて集中できなくなるからです。
文字から得られるイメージと言うのは私にとってはかなり頑固なもので、イラストが出てくるたびに脳内修正をしなくてはならず、その作業工程で飽きてしまうという弊害もあったりします。(もちろんイメージにぴったりの挿絵が描かれている場合もあります)
※あくまでも私の場合はこうなのであって、全ての共感覚者に通じるものではありません。
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明治 大正 昭和 平成 そして令和は何色に?
ちょうどいい色を言葉で説明するのは難しいので、今回は色見本とカラーコードを併記しようと思います。
明治
明治という文字から感じる色は、明るすぎず、強すぎないオレンジ。
#f39800
どうして?と言われても上手く説明できないのですが、明治という単語を見ると自然にこれに似た色合いで感じられるのです。
大正
大正は逆に、限りなく黒に近いけれども黒ではなく、どこまでも深い深い緑と青。灰色でもなくて。
#203744
本当はこんなに落ち着いた時代ではなかった、とか、こんなに言うほど暗い時代ではなかった、とか言わないでください。
時代背景と、感じる色は決してリンクしている訳では無いのです。
昭和
昭和は赤茶というか……赤茶ですね。
ひと言で赤茶といってもとんでもない幅があるのですが、今では便利になりましたね。
色見本をつけることが出来るんですから。
#660011
前後に来る文章や、ひと塊の一文、文字列によって多少色合いが変化することはあっても、基本的にこんなニュアンスの色です。
平成
平成は、青いですね。青いんです。
水色……いや、空色です。
たまにもう少し薄く(明るく)感じることもあるんですが、大体こんな感じです。
#0095e6
『平』の文字も『成』の文字も、単体で見ても青っぽい雰囲気ですし、自分の中では納得の色合いです。
令和
さて、いよいよ新元号の令和です。
額縁で掲げられた瞬間にこの色に見えましたよ。
#b3003c
綺麗ですね……。
深窓のお嬢様が着ている振袖の色のよう。
元号擬人化、なんていうイラストもかなりの数があるようですが、ちょっと古風な黒髪ストレートのハーフアップ。
紅色の振袖に葡萄茶の袴。そんなイメージが頭をよぎりました。
文字色のあまりの美しさに一目惚れしましたよ。
……あ、平成のときも一目惚れしてたっけな……。
綺麗な紅赤に見えた令和。いったいどんな時代になるんでしょうか。楽しみでしょうがありません。
もし自分にも共感覚がある、もしくは色のイメージがある、という人がいたら、ぜひ教えてください。