【ひきこもり】【軟禁】自立支援?それとも悪徳業者?

今月、東京地方裁判所で開かれたのは、30代の男性がひきこもり自立支援施設を訴える裁判だった。

自宅で過ごしていたこの原告男性を、施設の職員たちが数人がかりで無理やり引きずり出し、車に押し込んで拉致していったというのだ。

精神的苦痛を与えられたとのことで、550万円の損害賠償を求める訴えを起こしたものであった。

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原告と被告の動きまとめ

自室に閉じこもっていた原告(30代男性)が食事を取っていたところ、被告(職員と思しき数人)と父親が部屋へ踏み込んできた。

携帯で知人に連絡を取ろうにも、押さえつけられて所持品を取り上げられ、暴れて抵抗を試みるもそのまま車に乗せられ、運ばれたのだという。

父親は『この人たちに任せた。施設へ行きなさい』とだけ言い、男性を庇うことはなかった。

最初の一週間は鍵つきの個室に閉じ込められ、食事だけを与えられた。

ほとんど手をつけないで居たところ、何の説明もないまま精神病院に強制的に収容された。
約2ヵ月間拘束され、オムツで用を足さねばならない状態に置かれる。

退院後、社会復帰のための講座や授業を受けること、外部に連絡しないこと、その他の条件に対しての誓約書を書くことを強要されたという。
誓約に従わない場合、あるいはサインしない場合は再入院させるという旨が記載されていたようだ。

扱いに不満を持った原告は、同じような状態で収容されていた仲間と脱走を図り、無料法律相談センターに助けを求め、なんとか施設から出られたという。

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ひきこもり本人と家族のあり方

『子供がひきこもりになってしまった』という話は、今ではあまり珍しくはない。

心に傷も負ったのかもしれないし、挫折を味わったのかもしれない。

目標を見出せず、何も出来なくなる時期にさしかかったのかもしれない。

思春期はとにかく思い悩み、世の中の全てが理不尽でわけのわからないモノに感じる期間でもある。

そんなときに誰の顔も見たくなく、また自分の姿も見せたくなくなるときがあったっていいと思っている。

『思春期』であってしかるべき年齢の子であったなら、ね。

けれど今回の場合の『子供』とは、親の立場から見ての『子供』でしかなく、社会的に見ればどこから見てもいいトシをした大人なのである。

むしろ早ければ結婚していて、自分が親になっていてもおかしくない年齢ですらある。

現在出回っている情報だけでは、家族と原告とがどのような会話をしたのか、どのくらい話をしたのか、あるいはまったく話にもならなかったのか、そのあたりは判らない。

だが、かなりの大金を支払ってでもこのような業者、支援を頼まねばならなかったというのも相当困っていたのだろうと推察できる。

子供のためにそれだけの金額をかけてでも、ひとなみの生き方をして欲しいと願ったのだろう。

また、原告側は家族とどのように付き合ってきたのだろう。

食事もひとり離れて自室で食べる。
母親がトレイに乗せて、一日三回運んだのか?

みんなで食べよう、ダイニングで食べようと促したら暴れたりしたのだろうか。

簡単な話、食事を運ばなければ、キッチンまでは出てくるだろう。

自分で取りに来るくらいはするだろう。

それすらさせないのは、母親が病的に過保護であったか、あるいは大人が大人の力の全力で暴れるのだろうか?

父親と母親は、相当思いつめていたのだろう。

いまさら自分から出てきたとしても、何も身についていない今の状態で仕事が見つかるはずなどない、という結論に達し、業者を頼ったのではないかと思っている。

業者の取った行動

行き過ぎた抑制はたしかに暴力と言ってもいいかもしれない。

だが、情報によるとかなり叫んで暴れていたらしい。

押さえつけたりせずに説得できるものならしたのではないだろうか。

いや、名乗るくらいのことはいくらなんでもしたのでは?

残念ながら、現在は原告側からの情報しかない。

だが、本当に深く傷ついて人を恐れるあまりに外へ出られないのであったなら、自分の現在の姿を少しでも恥じているのであれば、更生施設に入るための説得を出来たのではないか。

原告はドア越しに話しかけても無視したり怒鳴り返したり、モノを投げたりしたのではないだろうか。

原告が最後に施設を脱走し、法律センターに逃げ込んだことからも、原告は外部の人間に恐れをなして縮こまっているような人間ではないことが見て取れる。

人並み以上に攻撃的であり、利己的。

収容直後は恐怖で食事が取れなかったとあるが、腹が減れば食べるのが本能と言うもの。

それを食べずにいるということは、反抗し続けたということでもある。

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原告はいまどうしているのか

当然、施設側へ戻ることは考えにくい。

では、実家へ戻ったのだろうか?

自分を大金とともに施設へ寄越した親に対して腹を立てながらも、自室に立てこもっているのだろうか?

そして、両親の心情はいかようなものだろうか。

決して少なくはない金額を投げ打って、せめて社会的な生き方をしてくれれば、と希望を託した業者は法によって息子に手出しできなくなった。

まだ最終的な結果は出ていないが、親子間の壁はさらに高く強固になってしまった。

ひきこもりの中年わが子を、老親が刺し殺した事件も耳に新しい。

殺人がいけないことは誰よりもわかっている立場の親すらも、子殺しの重罪人にしてしまうひきこもり。

社会復帰を望むことも出来ない中年オヤジを飼わねばならない親。

世の中の全てのものに腹を立てながらDVDやゲームの世界に逃げ込まねばならないひきこもり中年。

彼らが自立するための教養、あるいは人に慣れるためのセミナーを受けさせるために収容するセンター職員。

さて、本当にかわいそうなのは誰なのだろうか。

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